手足や腰など主に下半身が冷たく感じる、いわゆる「冷え性」の女性が増えています。ひと昔前は、冷え性は更年期障害のひとつとして知られていました。でも、最近は若い女性の多くが冷え性による自覚症状を感じています。
寒い冬ばかりではなく真夏の暑い時期でも体の温かい感じがなく、お風呂に入ってもすぐに手足が冷たくなってしまう、寒くて夜も眠れないなどで悩んでいる方が少なくありません。
ヒトには体温を一定に保つ機能が備わっています。気温が下がったり上がったりすると、皮膚から脳に温度の情報が伝わり、脳の視床下部というところにある自律神経から体のさまざまな器官に体温調節のための指令が下ります。この命令系統がうまく機能しないのが冷え性です。
冷え性が女性に多い理由は、女性は血管が細いので、血管が少しでも収縮するとすぐに血流が抑えられてしまうからです。そのために手足の末端が冷えてしまうのです。
また、女性は男性に比べて筋肉量が少ないという理由もあります。筋肉は食べ物から得た栄養分によって熱を作りだします。
冷え性が太りやすい理由
冷え性・低体温の人は太りやすく、ダイエットをしても効果が現われにくい傾向もあります。それは、体が冷えていると基礎代謝が少なくなるからです。体温が低いということは基礎代謝が低いということです。私たちは何もしないでいても、眠っていてもカロリーを消費します。呼吸や体温の維持、消化などの生命活動を維持するために最低限必要なエネルギーです。これが基礎代謝です。
深部体温(内臓の温度)が1度下がると、基礎代謝量も12%ほど低下するといわれています。たとえば、一日の基礎代謝量が1200キロカロリーの女性なら、体温が1度低くなれば一日で約144キロカロリーほどエネルギー消費量が低下するということです。
カロリー消費に差があると、同じ食事をしていても低体温の人のほうが体重は増えやすいのです。また、酵素の働きが弱くなるので、脂肪は燃えにくくなります。しかも、体脂肪が多くなるほど低体温になりやすいので、肥満と低体温が悪循環になってしまいます。
ダイエットをしているのに効果が出ないという人は、一度平熱を測ってみてはいかがでしょうか? 案外、体温の低いことがやせられなかった原因かもしれません。