良質な睡眠のキーポイントは深部体温と副交感神経

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Hot night. Thirsty young man drinking water in front of a fan while sitting up in bed

睡眠の質は寝始め90分の眠りの深さ、つまり最初のノンレム睡眠の深さで決まると言います。専門家のアドバイスをまとめると、深いノンレム睡眠を得るには、就寝時に深部体温が十分に下がること、そして副交感神経が優位であること、この2点がとりわけ重要なようです。 

 

深部体温の低下 

日中の活動時は内臓や脂肪、筋肉などが熱を生み出し、体内部の体温である深部体温は皮膚温度よりも最大で約2℃高くなります。これが夜間になると、心臓や脳など体の中心部から手足の抹消血管へと血液が流れ込み皮膚温度が上昇します。そしてその熱が体外に放出されることで、深部体温は下がっていきます。体は深部体温を下げて省エネモードに入り、脳や臓器を休めるのです。 

このように深部体温が下がって皮膚温度との差が縮まり、体全体の体温が平均化することで、深いノンレム睡眠が訪れます。人の体は体温を一定に保つ働きがあるので、体温が上がるとその分だけ放熱も進みます。就寝12時間前の入浴が推奨されるのは、入浴で一時的に深部体温を上げておくと、その後で大きく下がるので、それが入眠の絶好のタイミングになるからです。 

しかし冷え性などで手足に血液が流れず放熱が不十分だと、深部体温が十分に下がりません。また、そもそも深部体温が低いと十分な体温変化が起こりません。そうなると体はなかなか省エネモードに入れず、良い睡眠を得ることが難しくなってしまいます。 

 

副交感神経を優位に 

自律神経の乱れも体が省エネモードに入るのを妨げる大きな要因になります。手や足などの筋肉を動かす運動神経とは異なり、自分ではコントロールできない自律神経には、日中に優位になる緊張モードの交感神経と、夜に優位になるリラックスモードの副交感神経があります。この2つは一方が活動するともう一方が抑制されることでバランスを取っており、眠るためには「戦いの神経」である交感神経ではなく、「休息の神経」である副交感神経が優位になる必要があります。しかし刺激やストレスの多い現代社会では、夜になっても交感神経が活発なまま、副交感神経のスイッチが入りにくい生活環境になっています。 

こうしたとき副交感神経のスイッチを入れるには、血行をよくすることが一番です。副交感神経が優位になると血行がよくなるので、その逆もまた真なのです。さらに血行がよくなると、睡眠を阻害する冷えの改善にもつながります。健康の基本のキである血行促進は、良質な睡眠にも欠かせないものだと言えます。 

 

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